Books(自然・科学)

▼『生存する意識』エイドリアン・オーウェン

「植物状態」と診断された患者にじつは十全な知覚や認識能力があるとしたら,それをどうすれば証明できるだろう? 本書の著者はfMRIなどの脳スキャン技術を用いた実践的なマインドリーディングの手法を開発した.そこで明らかになったのは,「意識がない」は…

▼『算数から数学へ』宇沢弘文

数学の考え方を単に知識としてではなく,その幽玄な世界にふれ,楽しめるように解き明かす.小学校高学年から中・高生,子どもに数学を教えたい大人たち,数学が苦手という人に――. 代数と幾何という学校数学の二大領域を,考え方から捉え直そうとする知的誠…

▼『細菌と人類』ウィリー・ハンセン,ジャン・フレネ

ペスト,コレラ,赤痢,チフス,ジフテリア,結核,梅毒,破傷風,炭疽菌……〈見えない敵〉の存在を,人類はいかに見いだし闘ってきたのか.古代人の鋭い洞察から,細菌兵器の問題まで,感染症の研究に身を投じた学者たちの豊富なエピソードとともに,直観と…

▼『消された科学史』ジョナサン・ミラー,スティーヴン・J・グールド〔他〕

『レナードの朝』や『火星の人類学者』から神経科医として体験したエピソードをひきつつ,自然の全体を捉える新たな科学理論の構築にまで論を展開するサックス.『ワンダフル・ライフ』でもおなじみの,進化イコール進歩という誤った概念について,愛蔵の図…

▼『空想自然科学入門』アイザック・アシモフ

ますます高度になり複雑化する現代自然科学の最先端の知識を紹介し,それを自由奔放に駆使しながら,そうした自然科学の各分野がどう組み合わされ,どんな可能性が生まれつつあるかをユーモラスにわかりやすく浮彫りにする.第一級の生化学者であり,SF界…

▼『旅人』湯川秀樹

湯川氏の業績ほどにはその人を知る者は少ないだろう.これは博士自身が綴る生い立ちの記である.「孤独な我執の強い人間」と自身を語り,その心に去来する人生の空しさを淡々と説く文章は,深い瞑想的静けさをたたえる.科学者として最高の栄誉に飾られた博…

▼『医学史と数学史の対話』川喜田愛郎,佐々木力

誕生時点から現実の課題にさらされ続けた長い歴史を有する医学.その医学と医学史こそ,これからの学問のモデルだと認識した気鋭の数学史家が,基礎医学の広汎な分野で活躍し,医学史分野でも画期的な業績を上げている碩学に,医学の史的展開について問いか…

▼『ずる』ダン・アリエリー

偽物を身につけるとごまかしをしたくなり,創造性の高い人は不正をする度合いも高い!?イグノーベル賞を受賞したデューク大学教授が,今度はユニークな実験で誠実さとウソの本質を解明する――. 人はなぜ嘘をつき,ズルをするのだろうか.その行為をどのように…

▼『永久運動の夢』アーサー・オードヒューム

永遠に動き続ける機械・動力……中世から近代にかけて,永久運動の探究に,全力を捧げた科学者・技術者,発明家たちと,その不可能な装置の数々を,豊富な図版を織りまぜて紹介.彼らの作品が,科学史にどのように位置づけられるかを考える――. 近世数学の開花…

▼『時間の分子生物学』粂和彦

ほぼすべての生物の遺伝子が,「24時間」のリズムを刻む謎.生物はなぜ眠るのか?この生命最大の謎にまだ完全な答えはありませんが,約24時間のリズムを刻む生物時計は,人間や高等動物だけではなく,昆虫,草木,単細胞生物にも備わっていて,ほとんど同じ…

▼『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト

生きるか死ぬかの極限状況で,肉体的な「人間の限界」を著者自身も体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学.人間はどのくらい高く登れるのか,どのくらい深く潜れるのか,暑さと寒さ,速さの限界は?果ては宇宙まで,生命の生存限界まで,徹底的に極限世界を…

▼『科学の限界』池内了

科学技術が無秩序に発展し,高度に専門化してしまったことによる弊害が如実に現れている今こそ,科学の限界を見据える視点が求められている.その限界を,人間が生み出すものとしての限界,社会が生み出すものとしての限界,科学に内在する限界,社会とのせ…

▼『ネオフィリア』ライアル・ワトソン

Neophilia(新しもの好き)‥‥これが,ヒトの進化の源だ!なぜヒトだけが進化を遂げたのか?人間の環境,機能,行動を多面的に分析し,何ものかによって生かされている“人間存在”を浮かび上がらせる,きわめて刺激的な“ライフサイエンス・ファンタジー”――. …

▼『科学と神』ノーバート・ウィーナー

新しく急速に発展している通信科学の分野は,ノーバート・ウィーナーに負うところが大きい.この分野で「サイバネティクス」という言葉を作った著者は,本書において宗教的問題に関連するサイバネティクスの主要点について考察している――. 第二次世界大戦中…

▼『不思議の国の論理学』ルイス・キャロル

パラドクス,謎なぞ,ダブレット,アナグラム,アクロスティック,タングラム,記憶術,初等幾何,暗号法,オリガミ,論理ゲーム‥‥『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』のほか,『もつれっ話』『枕頭問題集』などの作品から精選した頭の体操のかずかず…

▼『数学する精神』加藤文元

数学における「正しさ」とは何だろうか.公式や証明は絶対的に正しいもので,揺るぎない「神の知」だと思っている人も少なくないだろう.しかし数学を創ったのが人間である以上,究極的には仮説的で暫定的であることを免れない.ならば「正しさ」「美しさ」…

▼『裏切り者は顔に出る』清水建二

「微表情」とは,0.5秒だけ人の顔に表れる無意識の表情.この微表情は,文化や民族,性別,年齢,時代,さらには生まれつき目が見えるか否かを問わず,私たちの顔に表れる.この微表情を読みとる技術は,科学を下地にした全く新しいコミュニケーション・スキ…

▼『異常の構造』木村敏

臨床の場に身を置きつづけながら,綺羅星のような著作および翻訳を遺した稀代の精神病理学者木村敏(1931-2021年).その創造性は世界的に見ても人後に落ちない.著者の名を世に広く知らしめるとともに,社会精神医学的な雰囲気を濃く帯びていることで,数ある…

▼『光学』ニュートン

ニュートン(1642―1727)は力学や数学と同じように,いやそれにも増して光学の研究に前人未踏の分野をきりひらいた.本書はその集大成であり,太陽の白色光が屈折率を異にする色光の複合から成ることを発見した実験をはじめ光の干渉・回折などを臨場感いっぱ…

▼『芸術を創る脳』酒井邦嘉〔編〕

芸術には人びとの心を打つ,何か根源的な力が存在する‥‥「音楽」「将棋」「マジック」「絵画」で作品や技術が生み出される過程や,そうした創造的能力に必要な脳の条件とはどういうものか.人間の言語能力を手がかりにして,美的感覚というものを背景とした…

▼"The Early Britannica" Frank A. Kafker, Jeff Loveland [ed.]

The Encyclopaedia britannica is a familiar cultural icon, but what do we know about the early editions that helped shape it into the longest continuously published encyclopedia still in existence? This first examination of the three eighte…

▼『錯覚の科学』クリストファー・チャブリス,ダニエル・シモンズ

サブリミナル効果などというものは存在しない.いくらモーツァルトを聴いても,あなたの頭は良くならない.レイプ被害者は,なぜ別人を監獄送りにしたのか?脳トレを続けても,ボケは防止できない.「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は,目では船が見え…

▼"End of the Earth" Peter Matthiessen

End of the Earth brings to life the waters of the richest whale feeding grounds in the world, the wandering albatross with its 11-foot wingspan arching through the sky, and the habits of every variety of seal, walrus, petrel, and penguin i…

▼"Hofmann's Elixir" Amanda Feilding [ed.]

Still lecturing until his death at 102, Dr Albert Hofmann would have been a remarkable man even if he hadn't discovered the chemical compound that changed the course of the 20th century – LSD. Voted the greatest living genius in a 2007 pol…

▼"The Greatest Benefit to Mankind" Roy Porter

A definitive study of the history of medicine, from the earliest humans to the present day.Medicine is advancing at an incredible rate. We now have the ability to overcome sickness but also to transform the nature of life itself――. 現代医…

▼"The Mutant Project" Eben Kirksey

An anthropologist visits the frontiers of genetics, medicine, and technology to ask: Whose values are guiding gene editing experiments? And what does this new era of scientific inquiry mean for the future of the human species――. 遺伝子編…

▼『死の病原体プリオン』リチャード・ローズ

致死率100%の狂牛病,クロイフェルト=ヤコブ病を引き起こす病原体.たった一片で脳をスポンジ化し,放射線も高熱も生き延び,遺伝子もないのに進化するこの病原体の正体は?生命の概念そのものを覆す戦慄の事実――. 冒頭で「悲惨な話ではあるが,これはフィ…

▼『Πの歴史』ペートル・ベックマン

πとはいったい何者?円周率と名づけてはみたものの,値も素性も詳しくはわからぬままに始まったπの歴史.それは人類の歴史を映しだす小さな鏡だった.シラクサのアルキメデス,紀元前3世紀のアレキサンドリア大学,科学書に火をつけ焼き払った中世の司祭や十…

▼『モラルの起源』クリストファー・ボーム

なぜ人間にだけ道徳が生まれたのか?気鋭の進化人類学者が進化論,動物行動学,文化人類学,考古学,霊長類のフィールドワーク,狩猟採集民族の民族誌などの知見を駆使して人類最大の謎に迫り,エレガントで斬新な新理論を提唱する――. 自然選択としての道徳…

▼『鼻行類』ハラルト・シュテュンプケ,ゲロルフ・シュタイナー

鼻で歩き,鼻で獲物を捕える哺乳類.第二次世界大戦直後,鼻で歩く一群の哺乳類が南太平洋の島々で見つかった.ダーウィン研究所のシュテュンプケ教授が解明した驚くべき動物群とその進化の様相.動物学上,今世紀最大の発見――. ハラルト・シュテュンプケ名…